DHサミット参加者メッセージ③
特別講演会
「ユーロぺリオで発表された歯周病ガイドラインの見直しの報告」に参加して
藤枝由里子
現在、私たちが指標としてきた歯周病の分類がユーロぺリオ9にて新たなガイドラインが発表され、今回のDHサミットにて、いち早く村上先生によりその内容を詳しくレクチャーして頂くことができました。
今回の新分類に至るまでを過去の分類からの流れでわかりやすく説明して頂けました。
今までは年齢で分類したり、慢性と侵襲性で分類してきたものをステージとグレードに分類されることになるというものでしたが、BOPや細菌叢については触れられておらず、引き続き今後の動向に注目していきたいと思います。
常に変化し続ける患者さんの生活環境や個々の健康状態だったり、私たち術者側でも個々に感じ方が違うこともあるので、はっきりと線引きし、分類や定義することの難しさがあると感じました。
前回のDHサミットで初めて村上先生の講演を聞き、難しい内容もユーモアを交え、わかりやすくお話ししてくださるので、今回も続きが聞けるのを楽しみにしていました。
このDHサミット自体も講演の最中でも疑問点を質問できるなど気さくな雰囲気で、とても好感がもてました。
講演の後の懇親会でも村上先生との積極的な意見交換があり、第3弾の開催を期待したいと思います。
村上先生も講演の中で仰っていたように、今も昔も変わらず歯周病の原因はプラーク(バイオフィルムの感染症)とわかっているにも関わらず、画期的な治療法が確立できていないもどかしさを臨床において私たちは常に感じています。
風邪などの感染症と違い、治癒が一時的なものでいかに再発を起こさないようにと私たち歯科衛生士は日々苦労し、努力し続けることが大切です。
そして、それを身体的には健康な状態の患者さんに理解してもらい、協力を得ることの大変さを痛感しています。
今後も私たち歯科衛生士は患者さんとの関わりあいの中で、口腔内の異常を発見できる目と判断力を養うために、今回のような新しい発表や治療法、それに伴った知識や技術を得るため、常に勉強を続けていくことが重要だと思います。