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DHサミット参加者メッセージ②

ユーロペリオの歯周病ガイドラインの見直しを含む歯周病学セミナーを受講して

おくだデンタルクリニック

歯科衛生士2年目 丸山朝子

今回の勉強会は、ユーロペリオ9で発表されたあらたな歯周病の分類について大阪大学の村上伸也教授に解説して頂いた。また、歯周病の病態とリスク因子の再考、歯周病治療の意味等の講義とディスカッションもあり、普段自分が行っているSRPの意味を再確認することができた。

 初めてDHサミット主催のセミナーに参加したが、今まで参加した勉強会と比べて登壇者との距離が近く、些細なことも質問しやすい雰囲気であった。また、歯科衛生士歴に関係なく、参加者の仕事に対する熱意などもひしひしと感じとれる勉強会であった。

 歯周病のあらたな分類の解説の前に、今日までの分類の歴史的背景について説明があったが、回りに回ってシンプルな状態に戻ったような印象を受けた。そして分類の基準の設定の難しさを痛感した。学術的なことと臨床とは若干異なるので理解をするのにとても苦労をしたし、今も完全に理解はできていないと思う。

私の中で一番印象に残った事は、SRPは上皮付着を誘導する治療ではないということだ。臨床では付着をしていると実感することもあったため不思議に感じた。しかし一方、根面が滑沢になっているのに全く付着が得られない患者さんで悩んだこともあったので、それはそれで処置として成り立っていたのだと納得することができた。また、患者さんの口腔内において“普通と違っていることに気がつくこと”の大切さを学んだ。状態によってはスケーリングなどをしてはいけない場合もあるので、普段からドクターとの連携を意識して診療を行うことがとても大事なことだと再認識することができた。

病態の分類が変更になるということは、それを歯科医師や歯科衛生士へどう周知するのか。セミナーや勉強会に参加せず、書物を読まない臨床家がいるとしたら、アプローチの手段が難しいのではないか。学生であれば統一した授業があるため知識のムラは生じないが、一旦臨床に出てしまうと、今回のような歯周病の基準などの根本的な知識でさえアップデートする機会は少ない。自発的に求め行動しないと、医療は日進月歩であるので後れを取ってしまうのだと改めて感じた。さらに、この分類について学術的な部分が大きいので,臨床にどう落とし込むかが難しいと感じた。特に私のように臨床経験が少ない者は、知識と経験の豊富な歯科医師や歯科衛生士が参加するこのようなセミナーに多く参加し、生きた知識を学んでいくことが必要だとつくづく感じた。

今回のセミナーで得られた情報を日々の診療に生かし、また次回のセミナーを楽しみに日々臨床に励んでいきたい。


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